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(1) 箱根の地形

箱根は高原、森林、河川、湖など多様な自然にめぐまれた環境です。
箱根の山々にぐるりと囲まれ、箱根町のほとんどは山岳地帯と高原からできています。
学園のある仙石原も山に囲まれ、およそ標高645mと高いところにあるので、気温が低く、天気が変わりやすいという特徴があります。

箱根火山の歴史年表

16万年前 浅間山や屏風山などの新期外輪山と呼ばれる山々の活動がはじまり、大量の軽石を噴出する大噴火が起こる。
5万年前 現在の神山を中心とする中央火口丘で活動が始まる。
3万年前 小塚山、台ヶ岳、二子山などの溶岩ドームの形成とドームの崩壊による火砕流の発生、駒ヶ岳や神山の溶岩の流下、山体の崩壊が繰り返され、現在の中央火口丘が形作られる。
 
3,000年前 神山の北西斜面で水蒸気爆発によって大きな崩壊が起こる。
その後、新たな溶岩が上昇し、冠ヶ岳となる。
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その後崩壊が起こり、大量の土砂が神山岩屑なだれとなって仙石原に流れ込む。
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神山北西斜面の崩壊跡に地下からマグマが上昇、溶岩ドームができる。
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溶岩ドームの形成に伴って、冠ヶ岳火砕流が繰り返し北西斜面を流れ下り、
規模の大きいものは長尾峠を越えて静岡県の方まで流れる。

この噴火活動の名残が現在の大涌谷であり、崩れた土砂は芦ノ湖や仙石原を形づくった。

箱根町HP「箱根火山の歴史」参考・作成

芦ノ湖

ashinokophoto箱根は都心から最も近いカルデラ地形であり、そこに水が溜まってできたのが芦ノ湖です。神奈川県で一番大きな湖で、今から約3,100年前に起きた神山の水蒸気爆発による土石流が当時仙石原に流れていた川をせきとめて、その上流に水がたまったことで湖になりました。
湖には、ほとんどの湖では放流が禁止されているブラックバスや、ヘラブナ・ヤマメ・ワカサギなど約21種類の魚が生息し、年間を通じて多くの野鳥も訪れます。
特に、箱根の山々からの清らかな水で育った芦ノ湖のワカサギは、姿、味ともに天下一品とされ、箱根町の魚に指定されているだけでなく、「神奈川県の名産100選」にも選ばれています。また、毎年漁の解禁日にその年初めて獲れたワカサギは天皇宮内庁に献上されているという特別なワカサギです。

ニコニコ豆知識 「芦ノ湖の水はだれの水?」
芦ノ湖は神奈川県にある湖です。しかし、芦ノ湖の「水」は神奈川県のものではありません。
江戸時代、芦ノ湖は神奈川県の箱根と静岡県の深良というところを治めていた小田原藩の領地でした。しかし、明治維新でおこなわれた廃藩置県という制度で、「藩」がなくなり県や府になると、地域の線引きが大きく変わってしまいました。
そのとき、芦ノ湖の権利を神奈川県と静岡県の間で話し合いましたが、最終的に、芦ノ湖の水は静岡県が管理することになりました。そのため、「芦ノ湖は神奈川県にありながらも、水は静岡県のもの」という不思議な関係になっているのです。

大涌谷

大涌谷約3,100年前、箱根火山で水蒸気爆発による山崩れが発生し堆積物が周囲の地表を覆いました。さらに約2,900年前には、小規模な火砕流が発生、冠ヶ岳ができ、また火山砕屑物が積もりました。この箱根火山と冠ヶ岳の火山砕屑物と山崩れによる堆積物の間が現在の大涌谷です。
かつては「地獄谷」や「大地獄」と呼ばれていたそうですが、1873年の明治天皇皇后両陛下のご訪問を機に、現在の「大涌谷」に改称されました。
大涌谷や箱根火山の歴史は、大涌谷にある「箱根ジオミュージアム」で詳しく知ることができます。

外部リンク: 箱根町火山防災マップ全域図 (クリックすると外部サイトへ移動します)

ニコニコ豆知識 「大涌谷のくろたまごをたべると寿命がのびる?」
大涌谷でたべることができる「くろたまご」は名前のとおり真っ黒な見た目をしています。
これは温泉を使ってゆでるので、カラのまわりに温泉の成分である鉄分が付着し、酸化して黒くなるためです。
また、大涌谷には延命・子育ての「延命地蔵尊」というお地蔵様があります。このお地蔵様にあやかり「くろたまご」を食べると、たまご1つにつき7年寿命が延びると言われるようになりました。


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